3日にわたってしまった「やる気」の話。
今回が最終章です。
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③危機意識の欠如について
この場合は「達成しなければいけない“基準”」についての現状認識ができない。
これが主な原因だと考えます。そのため計画・進捗管理が雑になる。
定期試験で例えると・・・
定期試験計画7つのポイント
①どの教科にどれぐらいの範囲(教材・単元・ページ)があるのか?
②①の初回を終了させるのにどれぐらい時間がかかるのか?
③②の際に予想される正答率はどれぐらいなのか?
④③を基にそれを100%にするのにどれぐらい時間がかかるのか?
⑤④で出た時間を定期試験までの日数(テスト前日は除く)で割ると1日平均どれぐらいの学習時間が必要になるのか?
⑥⑤で出た学習時間を「何日(曜日)の何時から何時まで」で実施するのか?
⑦⑥の順番とバランスは適当か?
最低限、この程度の“基準”があるかと思います。
これらは当然「個別」のものになりますので、同じ内容だから同じ時間で終わるということではありません。
こういった計画を立てると、自分が置かれている現状が客観的に“時間”で把握することができます。
対処法としては
(生徒と一緒に)具体的な計画を立て、(生徒と一緒に)実施状況を確認し計画に微調整を加える。
生徒の危機意識レベルの差によって状況確認の“間隔”が短くなります。
次回来るときまでなのか、毎日なのか、単元が終わる度なのか、30分ごとなのか。
「確実に達成していくサイクル」を作り出すための手間を加えることが重要です。
これで「テストが近くなって一生懸命やってみるが間に合わない」状況は改善されます。
そして、これを繰り返していくことで自分一人で「成功するサイクル」を作り出していくのです。
私は“個別指導”とは「1:1or2or3」とか「生徒に合った問題を出す」とか「やる気を引き出す」とか、そういうことを目的としているとは思いません。
集団指導であれ個別指導であれ、目的は「成績を上げる・志望校合格」。
その方法論として前述したようなことが挙げられるのではないでしょうか。
まとめます。
①「やる気」というのは保護者の理想の詰まった抽象的な言葉であるということ。
②学習指導とは「結果論」であり「方法論」は結果を導く手段であるということ。
③そして結果こそが「やる気」を引き出す最も重要な要素であって、「結果にたどり着いた成功体験」を数多く作り出すことが成功する可能性を引き上げるということ。
つまり、大事なのは
抽象的な「やる気」ではなく、具体的な計画や進捗管理にある。
こう考えます。
できないのは「やる気」が足りないから?
指導者が「できない理由を生徒に押し付ける言い訳」ではないでしょうか。